世界のお洗濯風景

私は「洗濯事業」を始めてからというもの、「洗濯」というのはとても興味深いものだと考えています。

人類の洗濯の歴史というものはとても古く、紀元前3000年代の古代メソポタミアで発見された粘土板に

くさび形文字で石鹸の製造方法が記されているほどです。

そしてところ変われば・・・お洗濯方法も随分違うもの。

国や地域の気候、文化、風習によって様々な洗濯方法があります。

それはその国の歴史を映し出す慣習であり、その土地に根付く人の営みそのものです。

 

さて実際にはどんな国でどんなお洗濯をしているのでしょうか。

今まで訪問した国や海外で働く友人などから頂いたお洗濯風景(コインランドリー風景)をぜひご覧下さい。   

本当に世界は広い!


フランス ~France Paris

洗濯機と二段式乾燥機が数台という

形式がベーシックです一番右の機器はCENTRALE DEPAIEMENTとあり

現金支払い機です。

日本のコインランドリーの多くは各機械にコイン投入口がついています。しかしフランスではこの機器で集中管理されています。どの機器を利用するにも操作する機械はこの一箇所です。この機器にあるselection machineというのはお金を入れた後に利用したい洗濯機や乾燥機の番号を選ぶと遠隔操作で指定した

機器が動く仕組みになっています。



アメリカ America

アメリカでは洗濯物を庭やベランダに干さないのが習慣です。州によって考え方は異なりますが「洗濯物を外に干すのは乾燥機が買えない貧しい人がやること」だと

思われています。広大な土地があるので日本人なら思い切り外干しをして「おひさまの匂い!」なんて喜ぶ所ですが・・・

アメリカは外干しをすると近隣住民より不動産価値が下がる上、景観を損なう為「迷惑行為」とされ訴訟にまで発展したケースもあるそうです。

そういった背景から日常のお洗濯物はコインランドリーが主流に。コインランドリー先進国のアメリカ。個性豊かで大規模店舗が多いですね。

 

元コインランドリーオーナーであったアメリカ人の方にお話を伺う機会がありました。日本ではオーナーが店舗の清掃やコイン回収を行うのは一般的ですが

治安の良くない地域で店舗のコイン回収をしていた所、背後から首にナイフを突き付けられた・・とか。地域によってはコインランドリー運営は命がけ!?

Los Angeles ロサンゼルス

DesertHotSprings デザートホットスプリングス

Los Angeles ロサンゼルス

Inglewood イングルウッド


コインランドリーは生活に欠かせない「施設」   

店内にATMまである所も・・。

洗剤・柔軟剤、ジュース、お菓子等々・・コインランドリーで販売されているものも充実していますね!アメリカは水質が基本的に「硬水」なのでHard Water Treatment→水質浄化(水質を変える)設備もあります。



フィリピン ~Philippine

洗濯機、乾燥機5台程度あり、基本的には有人店舗です。パートさんが随時

2~3人駐在しています。1人でやりくりしている場所もあるとか・・・。

フィリピンは機器の中のお金や衣類、

洗濯機の盗難防止のために無人店舗では運営しません。



インド ~India Kolkata/GangesRiver

街の至るところに洗濯物が干されています。

インドには日本のようにコインランドリーがありません。

インドは未だに『カースト制度』が根強く残っています。

この身分制度により職業や結婚などさまざまな社会

生活の在り方が生まれながらにして決められています。
中でも「ドービー」と呼ばれる人たちがいて、

このドービーの家庭に生まれた時点で子どもたちは

洗濯業を仕事としていくことが決まってしまうそうです。

日本で言うと「洗濯代行」の仕事です。

この方々の存在があるので、インドではコインランドリーは

勿論のこと洗濯機器が普及していない現状があります。

街を歩いているとmoneymoneymoney』と物乞いをする子供が多いです。

急速な経済発展の裏側でこうした小さな手を伸ばして

生活のために路上を走り回る子供たちがいます。

国は異なりますがノーベル平和賞を受賞した

マララ・ユスフザイさんが発した言葉の深さを痛感します。

「路上でオレンジを売っていた少女が学校に行く姿を

見たい。教育を通してこそ変化をもたらし貧困や差別を

解決できる・・・・。

1人の子供、1人の先生、1冊の本、1本のペンは

世界を変えることができる」

・・・・本当にそう感じました。

コルカタのマザーテレサハウスでボランティア活動を

行ってきました

活動としてここでは皆さんと一緒に洗濯をしてきました。

施設入所者さんの衣類等を共同作業で洗濯します。

インドの洗濯様式は日本とはまるで違います。

マザーテレサハウスでは日本でいう風呂桶のような

容器に洗濯物を入れざぶざぶ手洗いし、ほとんど

絞らずにそのまま干す・・・というもの。洗濯機も脱水機ももちろんありません。でも・・・暑い国なのでスグに乾きます!マザーテレサさんの偉業を思いつつ、心を込めて

洗濯しました。


インドのお洗濯といえば・・・

ガンジス河での洗濯風景もインドならではです。

沐浴などの生活排水や岸辺で火葬をしているため

人間の遺灰などが混入した河川でのお洗濯・・・。

しかもかなり濁っているので・・・・日本人は躊躇しそう

ですが・・・。でもヒンドゥ-信徒にとってはまぎれもない

聖なるガンジス河!!です。

川岸の平らな石を利用して「叩き洗い」です。

ガンジス川ではよく火葬風景を見かけます。

灰をこの川に流すことは死者に対する最大の敬意

されています。

でも赤ちゃんの遺体はそのまま流します。

インドの火葬は死者を清めるためにするもの。

赤ちゃんは汚れのない存在で火葬の必要がないと

いうことらしいです。

夜のガンジス川に人が集まって来ています。

毎日日没後に「プージャ」というお祈りの儀式が

行われます。

ガンジス川に花を浮かべ、火を掲げて祈りを捧げます。

この時間はとても聖なるものと考えられているために

お洗濯などの日常的家事もこの時間帯以外の時間

行われます。信仰心のある方にとってはとても神聖な

活動のようですね。